お仕事小説ブーム?

トッカン―特別国税徴収官―

トッカン―特別国税徴収官―

スコーレNo.4 (光文社文庫)

スコーレNo.4 (光文社文庫)

ある日、アヒルバス (実業之日本社文庫)

ある日、アヒルバス (実業之日本社文庫)

「お仕事小説」という分野が、最近ちょっとずつ人気になってきてるそうです。専門的なお仕事は、その世界そのものを描写したものを読むだけで、なんだか勉強した気になれて純粋に楽しいものです。小説化することでストーリーの中にさりげなくそういう知識が混ざっているので、すんなり頭に入ってくるのもいいですね。
最近の「工場見学ツアー」人気や「大人の社会化見学」ブームなども同じような背景があって、流行っているのかもしれませんね。私もついついシルシルミシルで工場潜入レポートなどがあるとついつい魅入ってしまう人の一人です。
最近の「お仕事小説」の特徴は、仕事に打ち込むプロ意識を持つ主人公が、女性であるということでしょうか。
今日ここに紹介している三作品とも、女の幸せって仕事に生きること?という疑問を持ちながらも、何か一つの道を究めようと仕事をがんばり、その中から自分の生きる道を見つけていき成長していく、という話です。
「トッカン」はですね、「図書館戦争」っぽくて少女マンガに近い感じになっており、非常にコミカルです。すぐ読めてしまうのではないでしょうか。税務官の話です。
「スコーレ№4」は、ちょっと重くてシリアスですが、このテーマを一番ストレートに書いているかも知れません。靴のバイヤーの話です。
「ある日、アヒルバス」が、個人的には一番のオススメで、テーマ性もあり、コミカルで笑いあり涙あり・・・いや、私は泣かなかったので、帯のボロ泣きは大げさだと思いますが、とってもよかったですよ。ハトバスのバスガイドさんの話です。(Byピノの神様)

草食系男子が読んだらどう思うか

『タバコ片手におとこのはなし』 ~20代の切なさ、恋の孤独と、女友達  GLAMOROUS BOOKS

『タバコ片手におとこのはなし』 ~20代の切なさ、恋の孤独と、女友達 GLAMOROUS BOOKS

今年の夏から私のアシスタントをしてくれている子が愛読しているらしく、貸してくれました。
「こないだリリーさんのサイン会に行ってきました」
「リリーさん?リリー・フランキーのこと?」
「ちがいますよ、LiLyさんですよ、知らないんですか?」
「えーと、ケータイ小説か何か?」
「ちがいますよ、貸してあげますから読んでください」
ということで手渡されたのが、この本。20代女性の気持ちを代弁してくれるコラムニストということで人気なんだそうで、読んでみたのですが、8割が恋愛話で2割が女の友情の話。GLAMOROUSのウェブサイトに連載されてたそうで、こういう機会でもなければ絶対に読んでなかった本だなあと思いつつ、何というか、勉強になりましたわ、色々。
特に興味深く読ませてもらったのが、「現代の白馬の王子様①」という章。

ガールズトークが過激化し、バーにいる他のお客さんの顔色が気になり始めると、会話は全て下ネタ用語が豊富な英語にシフトされる。帰国子女以外の女も、完璧に英語を使いこなす。「yeah,he was just so proud of that lil'thing!」「Oh,then,he should put his so proud dick on the table right now,infront of us,you know?」なぁんて、久々のお下品英会話に私も燃えたが、話題が"男のアソコ"から"ブラジルのクラブミュージック"に変わり、会話の言語が英語からポルトガル語にシフトされた時、私は止まった(私以外は、全員ポルトガル語学科出身)。
そして客観的に彼女たちを見て、「なんだこいつら?」と思った(笑)。最先端のセクシー系ファッションに派手めのメイクで、タバコをふかしながら最近のパーティ事情について話す彼女たちは、昼間、スーツ姿にナチュラルメイクでビジネスウーマンしているのである。昼と夜、オンとオフの振り幅の広さに、唖然とした。そして彼女たちこそ、私が理想とする男(!)の姿だと気が付いてしまった。

うは。これが理想らしいですよ、男性諸兄。このGAPや、いかに。

蔦屋重三郎展を観に行きました

サントリー美術館でやってます蔦屋重三郎展(http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/10vol04/index.html)を観に行きました。
太田南畝、山東京伝喜多川歌麿東洲斎写楽葛飾北斎などを売り出した江戸時代の稀代の名プロデューサー。今で言うと天才編集者、兼、出版経営者、兼、書店経営者といったところでしょうか。
蔦屋重三郎が吉原のガイドブックである「吉原細見」を経営の基盤にして、「耕書堂」という書店を作り、そこを文化的サロンにすることで人脈をつくり、次々と後世にまで残る出版物を送り出すという半生を、彼の出版物の変遷を見ることで振り返るという主旨の展示でした。
この絵は、葛飾北斎が描いた「耕書堂」で、この絵をもとに店そのものを復元展示されていまして、江戸時代の書店というのはこういう作りなのか、と結構感動しました。
今、彼が生きていれば、何をするんだろうなーとか思いつつ、江戸時代にこれが出来て今これをやろうとする人がいないのは何故なんだ、とか考えたりして、出版文化に多少なりとも携わってきた方で、江戸文化大好きな方にはかなりオススメできる展示だったと思います。

今日はひたすら最近の面白かったマンガをすすめる

よつばと! 10 (電撃コミックス)

よつばと! 10 (電撃コミックス)

コミックの紹介記事は、反応が悪いので、あんまり書かないようにしようと思っておりましたが、今日は気が向いたので最近読んだマンガで面白いものを一挙紹介。ということで一つ目は本日発売の「よつばと」です。うちにも4歳の娘がおりますので、このマンガの幼児像がどれだけリアルか、そして「よつばと」がどれだけリアリズムな作品であるかということについては、断固主張したいと思います。遊びに行くところとか、眠くなるところとかさ、本当、このまんまですよ。日本一の育児コミックだと思います。
イエスタデイをうたって 7 (ヤングジャンプコミックス)

イエスタデイをうたって 7 (ヤングジャンプコミックス)

日本一もどかしいマンガです。これ読んだらもどかしい気持ちになれること請け合い。ま、それがいいんですけどね。
全然話が進まないことでも有名な作品だったのですが、7巻で大きな展開が!しかし、こればっかりはどういう結末を迎えるのか全然読めないっす。ハルちゃんがんばれ。
ACONY(3) <完> (アフタヌーンKC)

ACONY(3) <完> (アフタヌーンKC)

ついでなので、冬目景大先生の作品をもう一つ。こっちは珍しいコメディ作品。これも面白い。最近の冬目景先生は絶好調である、と思われます。
信長協奏曲 (3) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

信長協奏曲 (3) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

ちょっと頭は悪いけど、自由奔放な男子高校生である主人公がなぜか、戦国時代にタイムスリップ。そんでもって、なぜか織田信長として生きることになってしまい・・・というファンタジー。大きな話の軸は「戦国自衛隊」そのものなんですけど、主人公がバカで天然という点が、この話を異様に面白くしています。秀吉のキャラ設定もすごいけど、斉藤道三や明智光秀の設定は、そう来るのか!?という衝撃の展開がありまして、今最も面白い信長ものではないかと思います。
センゴク外伝 桶狭間戦記(4) (KCデラックス)

センゴク外伝 桶狭間戦記(4) (KCデラックス)

いや、もちろん意外性を抜いて正統派(?)で言うと、断然こっちが面白いわけですが、序盤の重要人物、雪斎があっさりと退場してからは、もうあとは戦闘あるのみですからねー。センゴク天正記の続きが早く読みたいです。
風雲戦国伝 (PHPコミックス)

風雲戦国伝 (PHPコミックス)

その仙石秀久が、チラッと出てくる風雲児たちの外伝です。なんと、これリイド社じゃなくてPHPから出てるんですねー。内容は、みなもと太郎先生がコミケで販売している同人誌のコミック部分をまとめたものなんですが、クオリティは本編と全くかわらない素晴らしさ。「風雲児たち」本編の話の都合上、飛ばされちゃった歴史上の魅力的なエピソードが満載で、ファンにはマストアイテムでしょう。
そういえば風雲児たちで思い出しましたが、こないだ「飛び出せ!科学くん」で発見されたディアナ号らしき沈没船の特定終わったのかなー。超楽しみなんですが。
刻刻(3) (モーニング KC)

刻刻(3) (モーニング KC)

マンガファンの間で急速に支持が集まっている本作。異次元もので確かに面白いんですけど、個人的にはそこまでではないです。
秒速5センチメートル(1) (アフタヌーンKC)

秒速5センチメートル(1) (アフタヌーンKC)

これ読んでるとき、ずっと山崎まさよしが脳内BGMになりますねー。あの名作アニメの漫画化ということで、いまのことろ非常に原作に忠実です。「ほしのこえ」の漫画は、原作よりも素晴らしかったりしましたが、2巻に期待ですね。
ベルセルク 35 (ジェッツコミックス)

ベルセルク 35 (ジェッツコミックス)

これはですね、たまたま、今週全巻一気読みをしましたので、載せてしまいました。傑作だということは皆さんご存知のはずですから、特に言い足すことはないです。でもシールケが出てきてからちょっと世界観かわっちゃいましたよね。どんどんデビルマン化してますし。
激マン! 1 (ニチブンコミックス)

激マン! 1 (ニチブンコミックス)

ということで永井豪先生の「激マン」です。早い話、これはデビルマンの創作裏話を本人が自ら語るというものです。デビルマンの話以外も読みたいのだけれども、もうすぐ発売の2巻に期待しましょうか。
バクマン。 10 (ジャンプコミックス)

バクマン。 10 (ジャンプコミックス)

対して「バクマン」のほうは、「完全犯罪クラブ」が出てきて、また盛り上がってきました。
全然関係ないけど表紙のバクマンのロゴの下半分を隠したら「ラッキーマン」になるとか、亜城木夢吐がガモウひろしアナグラムになってるとか、色々隠れキャラがあるらしいですね。
アオイホノオ (5) (少年サンデーコミックススペシャル)

アオイホノオ (5) (少年サンデーコミックススペシャル)

漫画家マンガでは、今一番面白いのがこれ。伝説のDAICONⅢ秘話が始まろうとしていて目が離せません。あと庵野秀明流「かわいい女の子への最高のおもてなし」が、面白すぎます。
鋼の錬金術師 27 (ガンガンコミックス)

鋼の錬金術師 27 (ガンガンコミックス)

いやー、ついに大団円。見事に描き切りましたね。すばらしい。伏線もすべて回収し、最後の大仕掛け、人体練成の等価交換の謎も解き明かし、言うことないです。漫画史に残る名作をありがとうございました。
ガラスの仮面 46 (花とゆめCOMICS)

ガラスの仮面 46 (花とゆめCOMICS)

完結していない段階ですでに漫画史に残ってしまっている「ガラスの仮面」ですが、亜弓さんが大変なことになってるこんな時に、マヤは一体何をやってるんだ!それにしても、何と言う70年代風の少女マンガ展開。いや、まあそれがいいんだけど。詩織さんが肉食女子すぎて、ちょっと引きました。
私のおウチはHON屋さん(1) (ガンガンコミックスJOKER)

私のおウチはHON屋さん(1) (ガンガンコミックスJOKER)

ひそかに書店マンガなんですけど、主人公の書店員は女子小学生。でもお店はエロ本屋、という完全にロリセクハラなマンガです。2巻はライバル店や裏モノを取り締まる警察が現れて、さらに過激化するみたいです。いいぞ、もっとや……、けしからんです。18禁じゃないどころか少年マンガであるということが信じられません。
ムダヅモ無き改革 (5) (近代麻雀コミックス)

ムダヅモ無き改革 (5) (近代麻雀コミックス)

もう、本当に何だかわけのわからない麻雀マンガ、いや麻雀マンガじゃないだろうこれ。麻生さん以降の民主党の歴々が登場しないのは、わざとですかねー。さてそんな大和田秀樹先生の職場と発想の源を詳細にレポートしてくれるのが、この「あしなり」。「あしめし」の葛西りいちさんが、人気マンガ家のところに行ってアシスタントしてくるという業界裏話マンガなんです。面白いっすよ。
宗像教授異考録 14 (ビッグコミックススペシャル)

宗像教授異考録 14 (ビッグコミックススペシャル)

私の知る限り、これまでの宗像教授で「次巻に続く」は初めてなんですよ。しかもストーンヘンジを盗むアンチ大英博物館一派と戦うとか、まるで「ダヴィンチ・コード」の世界観じゃないですか。どうなってしまうんでしょうか?

見てるだけで楽しい書店ガイド

神保町公式ガイド vol.1 (メディアパルムック)

神保町公式ガイド vol.1 (メディアパルムック)

神保町の古書店ガイドというのは、毎年毎日ムックから出てるので、知ってる人からすると、何が違うの?と思ってしまうかもしれないのですが、個人的にはこれまで自分が購入した神保町ガイドが全部色あせて見えてしまうくらい、この公式ガイドを楽しんでしまいました。
これまでのガイドと決定的に違うのは、各古書店の自らの「売り」を、古書店主自らが紹介しているところなんです。このことが、どれだけ凄いことか・・・、いやわかんないか、わかる人のほうが少ないのかな。
古書店主が自分で自店の紹介文を書いているので、とにかく、わかりやすくて敷居が低いです。しかも血の通った本物のぬくもりが感じられるんです。古書店主が自店の自慢の一品を紹介する文は、一つ一つ全部読ませていただきましたが、本当に読んでいるだけで楽しくなりました。
しかもそれを世界一個性的な書店が集まっている書店街の、これまた個性的な店主たちが、本や神保町という街自体に惜しみない愛情をそそいだ文章を寄稿しているのですから読んでいて楽しくないはずがありませんね。
いやー、いい買い物した。

これぞ書店員必読の書

腰痛はアタマで治す (集英社新書)

腰痛はアタマで治す (集英社新書)

全国100万人の書店員の皆さん、こんにちは。この記事を読んでいるのは、その中でも数人だと思いますけど、普段から腰痛に悩まされてるんじゃないですか?悩まされてますよねー。私も持病化してますけど、腰痛つらいですよねー。職業病ですもんねー。
ということで、書店員に限らず全国の腰痛持ちの皆様には、こちらの本をオススメ。
著者の方は、元Jリーガーなのだそうですが、腰痛で若くして選手を引退せざるを得なくなってしまったという経歴の持ち主。その後、自分のような腰痛に苦しめられる人たちを減らしたいという思いで勉強を始め、今では、海外の最先端の療法をとりいれた腰痛の専門クリニックで、次々と腰痛を「治療」されているのだそうです。
選手だった頃に、今の知識があれば引退は回避できたかもしれなかったのに、とおっしゃるそんな先生の「治療」法は、手術でもなく投薬でもなく、腰痛体操をやることでもなく、筋トレをやることでもなく、普段の日常生活の姿勢に気をつけること。腰痛や肩こりの人は例外なく姿勢が悪いため、それが生活習慣病のように腰痛や肩こりを引き起こしており、姿勢を正さなくては何度でも再発するんだとか。逆に言うと、自分で正しい姿勢を制御する方法を身につければ、嘘のようによくなるんですって。
なぜ腰痛が起こるかのメカニズムもわかりやすく医学的に解説してくれる上、今までの治療法のどこが間違っていて何が効果的なのか、普段の生活で具体的にどういう工夫をすればいいのか、眠る時の足の運び方はどうすればいいか、事細かに説明してくれてまして、この腰痛本は名著ですよ
おっし、早速私も本日より、ニュートラルポジションとブレーシングやりますよ。ものすごく簡単だし。これで腰痛から解放されるんだったら、私がんばります!

ジュンク堂でブックケースをもらいました

ジュンク堂でピンクのレシートを集めるとオリジナルグッズがもらえるというキャンペーンをやっておりまして、今日はそれの引き換えに行ってきました。
5000円分のレシートでロゴ付きのブックケース、2000円分のレシートでポケットティッシュカバーがもらえます。7000円以上購入してたので、両方ゲットしてきました。


ブックケースのほうは、文庫本が3冊何とかギリギリ入りますが、ちょっと分厚いやつだと無理なので、収納するのは2冊にしておくのが無難です。
ブックカバーはこういう景品でよくありますが、ブックケースというのは珍しいですね。これ原価はどれぐらいかかっているのでしょうか。ちなみに1万円のレシートだと500円分の図書カードとも引き換え可だったので、原価率は5%ぐらいなのかな?ということは、350円くらいでしょうか。いや、そんなしないか。
なんにせよ、ジュンク堂さんありがとうございました。大事に使わせていただきます。